築古物件の再生

2017年04月22日 : saito

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近年の建築費の高騰、人材不足、環境意識などの高まりを受けて、業界のなかで建替えから改修志向へと変化がおこっているようです。大手三菱UFJリース(MUL)は経済状況や新しいニーズに合わせるため、不動産事業でも「ビジネスモデルの進化」を実践してきているいう記事がありました。(日刊工業新聞20170222版)

時代の変化とともに変化してきた三菱UFJリースは、ピーク時には不動産関連で約8000億円超の投融資残高があったが、リーマンショック以降の厳しい時期は、投融資先の案件を中心に、建築途中で頓挫した開発案件を承継したり、稼働率の悪い物件のためにテナント誘致活動、用途変更も踏まえたテナント入れ替えなど、不動産事業領域を積極に開拓し乗り越えてきたようです。このような取り組みの中で蓄積したノウハウを利用し、資産価値や収益性の向上を目的とした事業投資や、不動産再生をはじめとする資産価値向上に向けた投資「ハンズオン(育成)」型も手掛けています。特にこの育成型は対象となる不動産にどこまで投資し、どうやって資産価値や収益性を向上させるのかの見極めが大切と語られていました。(MUKリアルティインベストメント 若尾社長談)ターゲットとしては全国の築古ビルで、日本ビルヂング協会連合の東京のビル実態調査よれは、都内のオフィスビルは築30年以上が約6割を占め今後再生事業の需要が高まるとみられています。

近年都心の再開発が盛んにおこなわれている一方で、築古の資産価値向上の助けとなる既存の物件を生かした再生事業も盛んにおこなわれています。ヨーロッパの都心の不動産は美しい街並みや伝統文化を受け継ぐため、築古物件の再生が昔から行われてきました。建築様式や気候の違いはありますが、単に建替えするだけでなく既存の物件を生かすことも考え、環境にも配慮して積極的に見つめていきたいと思います。

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