中古住宅に「履歴書」

2018年09月16日 : saito

conveyancing-solicitor
日経新聞の記事で、中古住宅販売の新たな試みに関するニュースが
掲載されていました。今回はこちらの記事を取り上げたいと思います。
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中古住宅に「履歴書」 成約価格など、取引透明に(日経新聞平成30年9月7日より抜粋)

国土交通省は不動産物件に公的なIDを付与し、「履歴書」のように取引実績を集約する仕組みをつくる。
対象物件の過去の成約価格の推移やリフォーム実績の有無などを一覧できるようにする。
市場の透明性を高めることで中古住宅の流通を促す。物件単位の細かな情報を蓄積することで、不動産統計を高度化する狙いもある。
宅地建物取引業者が使う「REINS(レインズ)」と呼ばれる公的な情報仲介サービスの登録物件にIDを付与する。
IDによって同一物件のものだと認識された過去の取引履歴を集約する。
2019年度に有識者による検討会を立ち上げ、同年度中に実証実験を始める予定。
将来はリフォーム実績など民間団体の持つ住宅関連情報との連携も視野に入れる。

以下略
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公的なIDを中古住宅に付与することにより、
物件に関わる過去の取引実績やリフォーム実績の閲覧が可能になることから、
お客様がより安心して中古住宅を購入できるようになる様です。

実証実験の開始が、2019年度中を予定とのことですので、
正式な導入には、まだ大分時間が掛かるかも知れません。
日本の中古住宅市場流動化の一助に繋がる、大きな取り組みだと感じ、
取引の透明性を高め、不動産統計を高度化する事は非常に良い事だと思います。

また、本年より中古住宅売買時にホームインスペクション(住宅診断)を義務化したことも、
耐震や保証が付いていない物件購入に対する不安を解消出来る為、とても良い事だと思います。

しかし、売主と買主との価値観のずれや(主に価格や間取り)
ドンドン綺麗好きになって行く国民性、10年経った時の設備の進化や
デザインの移り変わり、新築住宅の低価格化、2020年より省エネ住宅が義務化となり、
それ以前の、省エネ基準がクリア出来ていない住宅は陳腐化してしまい、
中古住宅として市場に出した場合住宅価格の下落は免れない等の問題があります。
もし省エネ基準をクリアするリフォームをした場合、
サッシュや断熱材を交換しなければならず、壁や天井を剥がし
床下も断熱材を交換する為、莫大な費用が想定されます。

不動産業者から見ると、中古住宅の流通を阻害する原因は他にある様な気がしますが、
如何でしょうか。

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