タピオカミルクティと同調快感

2019年05月19日 : saito

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巷ではタピオカミルクティが爆発的な勢いで盛り上がっています。
どこのお店でも行列が出来ていて、とても繁盛しているようですね。
そのタピオカミルクティ繋がりで
面白い記事がありましたので紹介したいと思います。
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東洋経済ONLINE「なぜ若者は「タピオカミルクティー」に並ぶのか」より抜粋
https://toyokeizai.net/articles/-/280208

<前略>
情報を絞り込んでいく過程で大きな影響力を及ぼすのが「多くの人がよいと支持すること」です。特に、若者世代は、学校などの狭い世界をすべてと思いがちで同世代の人たちの言動の影響力は絶大です。さらに、自分の価値観をはっきりと自覚できていない、もしくは、自信がない人ほどその傾向は強く表れます。
そして、「並ぶ」という実際に行動を起こす人たちが作る「行列」は、信憑性を増し、「みんなが選んでいる」という安心感によって、自分自身の行動が間違っていないことへのある種の証明が行われるのです。これは、自分の価値観への自信のなさを補完します。

<中略>

もう1つの要因としては、行列に並ぶことによって、マジョリティーとなる安心感を得ることができるということです。もっと言えば、疎外感や孤独を基本的には好まない本来の欲求を充足させ、安心感を満たすために行列に並ぶという同調行動をとりやすいのです。
安心感は、セロトニンに影響します。セロトニンとは、気持ちを左右する影響を持つホルモンの一種で、思考や意欲に深く関わるものです。

<中略>

そしてさらに、同調快感(シンクロニシティ・コンフォート)というものがあります。これは、人類が獲得した生存のためのホメオスタシス(恒常性)で、共通の思いを持つことによる一体感です。昨今は、プライベートやプライバシーを重視し、個人主義の意識が強く、個別に行動することが増えています。集団で何かを成し遂げたり、チームで取り組むという場が少なくなっているからこそ、このつながっている感じが求められるのではないかと考えます。
前後に並んでいる人との関係性はないけれど(密には関わらなくてよい状況にありつつ)、同じ目的に向かっている感覚(一体感)を得られるわけです。よって、同じものを求めて並ぶ人数が多ければ多いほど、この同調快感は増幅されると考えます。そして、SNS空間ではなく、並ぶという現実でその実感は、より確かなものになります。

自己決定の重要性
ただ、「その他大勢」に埋もれることはしたくない、オリジナリティーを持ちたいという欲求もあります。それをも可能にするのがカスタマイズです。
並んだ先にある商品の選択肢の多さが、自分で選んだという意識を高め、能動的な意思決定欲を満たします。お茶の種類をはじめ、量や甘さ、氷の量などまで細かくカスタマイズできるお店がはやるのもうなずけます。

<以下略>
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今回のタピオカミルクティに限った話ではありませんが、
自分の意思で並んでいるはずが
実は潜在意識下では様々な心理状態が働き、
さらにその心理状態を企業側が狙って
引き起こしているのではないかと
考えると少し背筋が寒くなりますね。
(私も行列を見ると並びたくなります)

マイノリティであっても、
第三者にコントロールされた情報ではなく、
自分の意志で、本当に美味しそうなものを選択し、
たまにハズレも経験しながら楽しめたらと良いかなと
思い直しました。

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