美を紡ぐ日本美術の名品展

2019年05月25日 : yamane

こんにちは企画の山根です。

先日のお休みに上野の東京国立博物館で開催されている
「美を紡ぐ日本美術の名品展」に行ってきました。

様々な日本美術の至宝を公開しており、
雪舟の「秋冬山水図」など、
学生時代に教科書で見たことがある作品なども
多数展示されていました。
この機会に見ておかないと
今後一生見る機会がないかも知れないと思い
鑑賞しに行ってきました。

数ある作品の中でも
一番インパクトが強かったのが、
狩野永徳筆「唐獅子図屏風」です。
永徳は安土桃山時代に織田信長や豊臣秀吉に
仕えた有名な絵師さんとのことです。
(それほど有名な方だということを、
 私は恥ずかしながら今回の美術展で初めて知りました)

高さ2.23メートル×幅4.51メートルという
とても大きな屏風絵です。
2頭の唐獅子が力強く描かれており、
大きさ以上の迫力に圧倒されました。
Kano_Eitoku_002
画像参照元URL:
http://www.kunaicho.go.jp/culture/sannomaru/syuzou-08.html

また、唐獅子図屏風は2点並べて展示されており、
左側の作品は永徳の子孫にあたる狩野常信によって
江戸時代に描かれたそうです。
そのためか、常伸の作品からは
静かな作品という印象を受けました。
同じ流派の方が同じテーマで描いた作品であっても、
描いた人や時代が変わると
絵のテイストも大きく変わる事が
面白いと思いました。

同じく狩野永徳筆の国宝作品である
「檜図屏風」も展示されていましたが、
個人的には唐獅子屏風の方が
素敵だと感じました。

もう一つ面白いと感じた作品は
葛飾北斎の「西瓜図」です。
こちらは、北斎が晩年に描いた肉筆画で
半分にカットされた西瓜の上に和紙を敷き、
包丁を乗せ、上部の紐には西瓜の皮がぶら下がっているという
奇妙な構図の作品となっています。
一説では中国の七夕の風習を真似て描かれたとも
言われていますが、真相はまだ解明されていないそうです。
シュルレアリスムの作品を見ている時のような
何とも言えない不思議な気持ちになりました。
Suika-zu_by_Katsushika_Hokusai
画像参照元URL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E7%93%9C%E5%9B%B3

また、北斎は晩年「画狂老人卍」という名前で
活動されており、この作品にも
その名前が使われています。
作風にピッタリの名前だと感じました。

歴史的な価値が高いだけでなく、
面白い作品がたくさん展示されている美術展で
思っていた以上に楽しめました。
6月2日まで開催されておりますので、
宜しければ一度足を運んで見てはいかがしょうか。

美を紡ぐ日本美術の名品公式HP
https://tsumugu-exhibition2019.jp/masterpiece/index.html

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